風邪で病院に行き、処方箋をもらったけれど──
「体調が戻ったし…もう薬いらないかも?」
そんな経験、ありませんか?
特に、子どもが急に元気を取り戻したときや、自分自身も寝てスッキリしたときなど、「薬局に行かなくていいかも」と迷うことは意外とよくあります。
でも、処方箋には“有効期限”がありますし、薬をもらわなかった場合のリスクもゼロではありません。
この記事では、薬剤師の視点から
「薬を取りに行く/行かない」それぞれのメリットと注意点を、わかりやすくお伝えします。
最後には“しげナガ先生のひとこと処方箋”もついていますので、ぜひ最後までご覧ください!
処方箋には有効期限がある!まずはここを確認
処方箋の有効期限は、原則として発行日を含めて4日間です。
たとえば、木曜日に処方された場合は「木・金・土・日」までが有効期限。土日祝日もカウントされるので、「病院には行ったけど、薬局に行くのを後回しにしてたら期限が切れていた」というケースは少なくありません。
特にGWやお盆、年末年始などは医療機関がお休みになったり営業時間の変更等あるため注意が必要です。
体調が戻って薬をスルーしたいと考える場合でも、まずは期限内かどうかを確認することが大切です。
※期限が切れてしまった場合の対応についてはこちらの記事で紹介しています。
薬を「受け取る」メリットと注意点
▼受け取るメリット
- 再発や悪化を防ぐ可能性がある
医師は「今ある症状+これからの変化」も見据えて処方を出しています。たとえば、咳が長引くことを想定して薬を出している場合も。 - 抗菌薬(抗生物質)などは途中で止めると逆効果になることも
耐性菌のリスクなど、厚労省やPMDAでも注意喚起されている重要なポイントです。 - 子どもは元気に見えても“ぶり返し”が多い
熱が下がったと思っても、翌日にはまたぐったり…ということもあるので油断は禁物。
▼受け取るときの注意点
- 一度薬局に行くと、長時間待たされる可能性がある
- 在庫がない/取り寄せになることもある
- 薬局内に風邪や感染症の患者が多く、再度うつるリスクが気になる
- 使わないかもしれない薬にお金を払うことになる(3割負担でも数百円〜)
「スルーもアリ」なケースとその理由
体調が明らかに良くなっており、薬を使わなくても問題なさそうと判断できる場面もあります。
▼スルーを検討する理由の一例:
- 十分に回復しており、解熱剤や頓服だけが処方されていた
- もらっても結局使わない可能性が高い
- 薬局に行くことでかえって体力を消耗したり感染のリスクを負うのが不安
- 仕事や子育てが忙しく、薬局に行く時間が確保できない
- 数日後には症状が自然に落ち着くことが想定できる
▼ただし注意点も
- 薬をもらわなかったことで、後から「やっぱり必要だった」と後悔する可能性も
- 処方箋の有効期限が切れると、再発行には再診が必要になり、再びお金がかかる
- 特に抗菌薬やステロイドが含まれている処方は、自己判断でスルーしないほうが安心
迷ったときの判断基準は?
以下のような視点で判断すると、自分にとって最適な選択がしやすくなります。
▼薬を受け取ったほうがよさそうなケース
- 抗菌薬(抗生物質)などが処方されている
- 医師から「最後まで飲み切ってください」と明確な指示があった
- 症状に波があり、まだ不安定
- 小さな子どもが対象で、再発を防ぎたい
▼スルーしても問題ないかもしれないケース
- 完全に症状が消えており、生活に支障がない
- 解熱剤や咳止めなど、頓服薬だけの処方である
- 医師にも「必要があれば使ってください」と言われたケース
- 薬局に電話して、もらわなくても大丈夫か相談できたとき
正解はひとつじゃない。納得して選ぼう
薬を取りに行くべきか、スルーすべきか。
その判断は、症状の回復具合や薬の内容、生活状況などによって人それぞれです。
ただし、迷ったときは医療機関や薬剤師に相談するのが一番。
ムダなく、納得して薬と付き合うためにも、遠慮せず聞いてみてくださいね。
🧾しげナガ先生のひとこと処方箋
処方名:回復後の迷い処方
用法・用量:体調と処方内容を見て、納得できる選択を1回
効能・効果:時間もお金もムダにしない、やさしい薬の付き合い方ができるでしょう🕊️
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