「いつもの薬が薬局にないと言われた…」
そんな経験、ありませんか?
実は近年、医薬品の出荷調整や限定出荷が相次いでいます。
原因はさまざまですが、患者さんにとっても医療者にとっても大きなストレスになりますよね。
そんなとき、いまどの薬が出荷調整中なのかを事前に調べられたら安心ではないでしょうか?
今回は、薬剤師も現場で活用している「医薬品の出荷調整情報がわかる検索サイト」を紹介しつつ、使う際の注意点や代替策について解説します。
記事の最後には、しげナガ先生のひとこと処方箋付き!ぜひ最後までご覧ください。
出荷調整・限定出荷ってなに?
まずは簡単におさらいから。
出荷調整とは、製薬会社や卸業者が医薬品の供給量を調整する措置のこと。需要と供給のバランスが崩れた際に起こります。
たとえば、
- 製造ラインのトラブルやGMP違反
- 海外からの原材料の遅延
- インフルエンザや感染症の流行による需要急増
- 他社製品の供給停止に伴う代替需要
こういった背景で、一時的に薬が足りなくなるケースが増えているのです。
限定出荷になると、さらに出荷対象や数量が制限され、特定の病院や薬局にしか薬が届かない状態になることもあります。
出荷調整中の薬を検索できるサイトが⁉
そんな中、薬剤師の間で注目されているのがこちらのサイト:
このサイトは、有志の医療従事者が運営している医薬品の出荷調整情報まとめサイトです。
■ 主な特徴
- 医薬品名で検索可能
→ 商品名や成分名で、該当する出荷調整中の薬がヒットします。 - 出荷調整中の一覧が見やすい
→ カテゴリ別や五十音順での検索も可能。現場でも素早くチェックできます。 - 代替薬の参考情報がある場合も
→ 同成分や同効能の代替候補が記載されていることも。
薬剤師が医師へ情報提供をする際や、患者さんへの説明の準備として、現場で重宝されているツールのひとつです。
注意!DrugShortage.jpの使い方で気をつけたいこと
便利なサイトですが、いくつかの注意点も知っておいてください。
① 厚労省の公式サイトではない
このサイトは、あくまで有志による民間運営の情報サイト。
厚生労働省やPMDA、製薬企業の公式発表をもとにしていることもありますが、正式な情報源ではない点にはご注意を。
② 全ての医薬品が網羅されているわけではない
掲載薬は限られており、すべての出荷調整が反映されているわけではありません。マイナーな薬や新たに調整が始まったばかりの薬は掲載が遅れる場合もあります。
③ 情報の更新タイミングにラグがあることも
リアルタイムではないため、既に改善しているケースもあれば、逆に掲載されていないけど実は出荷制限中という薬もあります。
他にもある!薬剤師が参考にする情報源
出荷調整情報は、複数の情報源を組み合わせて確認するのが基本です。以下も併せて活用しましょう。
📄 厚生労働省の発表資料
- 「出荷調整・限定出荷の医薬品リスト」などをPDFで公開しています。
- 更新頻度は低めですが、信頼性は高い。
🧪 PMDA(医薬品医療機器総合機構)
- 安全性情報や回収情報、製造販売中止の通知などが確認できます。
🏢 製薬会社の公式HP
- 「お知らせ」や「医療関係者向け情報」に出荷状況が掲載されることも。
💬 薬剤師ネットワーク
- 地域薬剤師会、学会、LINEグループ、SNS等で共有される現場情報も参考になります。
一般の方にできること|薬がないときの心構え
患者さんにとって「いつもの薬がない」と聞くのは不安なもの。
でも、焦らず次のように対応しましょう。
① お薬手帳を常に持参
過去の薬の履歴から、薬剤師がスムーズに代替案を提案できます。
② 早めの受け取りを意識
処方されたら、できるだけ早めに薬局へ。薬が足りない場合も早期に対応できます。
③ 薬が変わったときは遠慮なく相談
薬剤師は「効き目は同じ?」「副作用は増えない?」などの疑問にも丁寧に対応します。気になることは遠慮なく聞いてくださいね。
情報に振り回されず、信頼できる窓口を
出荷調整の情報は年々増えており、薬剤師も毎日のように対応に追われています。
そんな中でも、正しい情報を集め、患者さんにとってベストな選択ができるよう日々努力を重ねています。
DrugShortage.jpのようなツールを**“正しく理解して活用する”**ことで、医療との付き合い方がより安心なものになりますよ。
💬しげナガ先生のひとこと処方箋
処方名:情報の波におぼれないために
用法・用量:検索は1日1回で十分。困ったときは、迷わず薬剤師に声かけを。
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